仙台まで歩き始めてからいいことが、よく起きるようになった気がする。小さないいことが沢山見つけられたし、大きないいこともあった。よく修行や願掛けなどで、長い距離を歩かせるようなものがあるが、案外あれって効果があるのかもしれない。そんなことを考える日々。でも、これは修行でも願掛けでもなくて、僕の欲望を満たす旅なのだ。

というわけで前回に引き続き、川島駅からスタートである。

今日は、頑張って宇都宮駅まで歩いて行きたいとおもった。だって餃子が食べたいのだもの。出発前の机上調査によると、おおよそ距離は32km。何を勘違いしたのか、コレは行ける!と思ってしまった。僕は馬鹿だ。

このくらいの「散歩」になると、前回のセーブポイントまで物理的な自分を移動させるのに時間がかかるようになる。平井から出発すると、まず赤羽まで行って、そこから宇都宮線を通じてひたすら小山まで。最後に水戸線に乗り換えて、川島駅。前回までは、つくばエクスプレスを利用して移動していただけに、新鮮な移動となった。というより、宇都宮線に乗ったのは初めてである。

3時間ほどかけて、川島駅に到着。朝5時には出たのに、朝ごはんなどを得るなどして、結局着いたのは朝8時くらいだったよ。そして、この日は、梅雨の時期にもかかわらず、素晴らしすぎる晴天に恵まれていた。朝方は雲ひとつ無い。

この日の失敗。日焼け止めクリームなどを塗るの忘れた。後にこの快晴が、肌に大ダメージを与えることとなる。

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まず、川島駅から北へ向かう必要があるので、とりあえず踏切とかを渡ってみたのだ。が、北の方をちょっと向かったところで、鬼怒川があり、橋が見えないことに気づく。。「橋は渡れる時に渡る」これは、一回渡り損ねると、しばらく渡れないことが多いということから名付けられた鉄則の1つである。

というわけで、鬼怒緑地公園という、公園まで辿り着いたことろで、引き返し、国道50号線(川島駅から結城駅などをつなぐ道)へ戻ることにした。

戻る途中に、小さな神社(天満宮)があったので、安全祈願のお参り。「天満宮」は、菅原道真を祀る神社だそうだ。今まで、神社のことを調べると、いかにも神様らしい神様の名前だっただけに、人間のそれっぽい名前に驚いた。学問の神様として祀られているとのこと。死んだあとに朝廷に祟りを起こしたりしたりすると、神様としてこんな風に、祀られるのか。。

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そこから、国道50号線に入り、鬼怒川を渡る。鬼怒川には、栃木らへんでもお世話になるはずだ。後日、またもっと上流の方をわたらせていただきますので、よろしくお願い致します。
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新川島橋を通じ鬼怒川を無事渡り終え、その先に、筑西遊湯館なる、いわゆる健康ランドっぽいものがあった。ゴミ処理場の熱を利用するタイプのアレです。しかし、まだ開店していない。ひとっ風呂浴びてからの散歩もありかと思ったのだが。。。しょうがないので、(栃木県)県道214号線を通じて北へ進む。餃子が待っているのだ。

気づいたら、茨城県境は通り過ぎ、栃木県へ突入していた。これにて、3日間+この日に及ぶ茨城編の散歩は終了である。茨城県は、基本平坦な田んぼ道を進んでいくものであったが、その作りやら家も少しづつ変化に富んでいるのがおもしろかった。そして、なにより振り返れば筑波山。あの山は最初、前の方にあったのに、今では振り返らないと見ることができない。ちょっとさみしい。栃木県の道には、県道の側溝の蓋に書かれた「茨」の字はもうない。

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一方、栃木県編のスタートである。気持ちを切り替えていく。県道214号線から、県道35号に切り替えていくと、かっこいい入り口の神社を発見。見よ、このかっこよさ。

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あとから調べた結果、高椅(たかはし)神社という名前で、「イワカムツカリノミコト」を祀っているらしい。料理の神の模様。料理は個人的には好きなのだが、気づかずうちに料理の神様のところに参拝に行っていた模様。料理うまくなるといいな。誘導された偶然というやつかもしれない。

ところで、Wikipediaの

調理師や調味業者からの信仰を集めている。

という説明がなかなかシュールで良い。なかなかニッチ。日本の神様は結構ニッチだ

こういった散歩で日本の神様に興味を持って、『超訳 古事記』を読んでみたのだが、これが本当に面白い。日本神話のカオスっぷりがよくわかった。

散歩で単純に街の面白いものを見ていけたら良いと思っていたが、道で見かけたことや地名などについて調べるようになったため、この旅の「とある地点から、とある地点をゆっくり進んでいく」形のように、僕の脳内でも「とある知識と、とある知識の点を結んでいく」といった作業が並行で進んでいるのがわかる。

ほかにも、植物や動物の名前を覚えていったり。いかに自分が神様を含めた自然に触れてなかったかがわかってしまった。25歳からの自然・神話入門。

このへんで、周辺にコンビニなどが見つからないことに気付き、とっとと国道4号線に合流したい気持ちになる。コンビニが見つからない問題は大変な問題である。なぜならば、トイレの問題があるからである。できるのであれば、立ちションやノグソといった行為は避けなければならない。水分補給は、自販機がそこら中に設置されているので何とかなる。いい国である。しかし、公衆便所はそこら中に設置されていない。

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というわけで、国道4号線に向け橋をわたる。田川(だったかな)を渡る。ここの川の家が、半分くらい川にせり出していて、すごいと思いつつも、メンテナンスとか大変そうだなぁと現実的なことを考えてしまったのだ。奥の方には、小型な天文台があるようなお家もあっていいなぁと感じた。

あと、さすがに暑かったので半袖になった。たぶん、ここらへんでテンションがおかしくなってる。

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県道146号線に合流し、最終的に新国道4号線へたどり着く。国道4号線は、混雑緩和のためバイパスが作られており、今回合流したのは、「石橋宇都宮バイバス」と呼ばれるもの。奥州街道・日光街道と呼ばれる道はもうちょっと西の方にある。国道4号線は、仙台までお世話になるであろう重要な道路で、ここをガイドに散歩していくことになる。散歩なので、ここから外れていきたいとは思うけど、大きく外れはしない。

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この辺に、「下野」という地域名を見かけるようになる。最初、「シモノ」と読んでいたのだが、道表示の青看板のローマ字をよく読んでみると「Shimotsuke」と書いてある。そう、「シモツケ」と読むのだ。えーー。どこから「ツケ」きたんだ。とおもったら、Wikipedia 先生には載っていた。「下毛野国(シモツケノクニ)」から毛が消えて「下野国」読み方は「シモツケノクニ」そこから、国がなくなって「下野」。読み方からは、「ノ」が消える。結果「シモツケ」。英語で日々発音しない綴りなどに「えー」っと思う日々ですが、日本語にもこういうのあるんですね。実際に触れたので、もう「シモノ」と読むことはないでしょう。

1日目の反省から、導入した「杖」。20kmを超えたら、脚に異常が無くても積極的に使っていこうということで登場させてみた。格好つけで登場させてみたかっただけかもしれないが、「転ばぬ先の杖」というやつかもしれない。正直、これは今日の成功の1つで、歩ける距離はずいぶん伸びたように思える。
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大いに役に立ったのは、国道沿いの距離表示である。国道は始点からの距離を示してくれるありがたい看板があったりするので、これを目安に休憩などを取りやすい。4〜5km を目安に休憩をとろうということで、よくこの表示を確認していった。

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雲行きが怪しくなり、宇都宮市にはいる頃には、遠くのほうでゴロゴロと雷がなっているのがわかった。一雨来る前にどうしても到着したかったので、ちょい早歩きで向かう。

どうやら、左足の裏にタコができたらしく、結構痛い。

途中コンビニによったのだが、小学生くらいの子供が一昔前の暴走族のような改造自転車でたむろしていた。トチギ県。なんと恐ろしい場所に来てしまったのだろうか。でも、コンビニ店内に入るなり「うおーーー涼しい。ガムとか “買おうぜ” 」と騒いでいたので、なにか安心してしまった。
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最終的に、宇都宮駅に到着したのは午後5時すぎ。9時間に及ぶ長い散歩が終了した。この日の歩行距離は44.64km。歩数は54,980歩を記録した。始点(東京都江戸川区平井)からの累計距離は148.82kmとなった。この時の顔写真を、Facebookにアップしたのだが、「黒い」「ブラック」などと散々な言われようであった。そして、日焼けした腕がヒリヒリする。

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初日以来の「フル散歩」(42.195kmの散歩を便宜上こう呼んでいる)となったが、初日ほどの苦しみはない。むしろ爽快感すらある。もちろん、足の裏はただではすんでおらず、タコができてしまったのが・・・。やっぱり、「ハーフ散歩」(21kmくらい)がちょうどいいので、今後も無理せず進んでいこうと思う。

せっかくなので、餃子像とご対面。シュールにもほどがある。意外なことに、結構な数の観光客が、この像の前で写真をとっているのが、観測できた。ここに来た中国人のテンションがやたら高かった。

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そのような「宇都宮といえば餃子」というステレオタイプに身を任せ、適当に駅前で餃子を頂くことにした。餃子うまい!ビールうまい!しばらく、宇都宮が今後の散歩におけるキャンプ地となりそうなので、おいしい餃子屋探しなんかをしてもいいかもしれない。(散歩番外編ということで。。。)

2014-06-14 17.55.56さて、宇都宮まで辿り着いたので、今後は前泊などを活用していくことになりそうだ。なにせ、宇都宮まで向かうのに新幹線を使わない場合、片道で3時間ほどかかるようになっている。もちろん、新幹線などを使うのも手なのだが、片道4,000円はちょっと厳しい。新幹線往復8,000円(1日) vs 宿泊代4,000円 + 在来線往復4,000円(2日) を天秤にかけた結果、ということである。

残念ながら、今月はもう宇都宮からの進行はできないと思われる。来月に、宇都宮からの進行を行っていくつもりである。

Google Map 基準だと、仙台駅まで、235km。どうせ寄り道はするのでこれより長い距離を歩くことになるだろう。仙台は逃げない。ゆっくり進んでいくこととする。

【おまけ】

2014-06-14 13.40.52山田うどん、再び。40kmを超える散歩は、カロリーを消費しまくるので (2,000kcal は軽く燃えるらしい) 積極的に、炭水化物を取得する。ここの山田うどんがシュールで、「トイレにサボテンの花が咲いております。どうぞご覧になってください」というどうでもいい、素晴らしい情報を提供してくれた。ありがとう。

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「あ、あぶない」の「あ、」っていうところがポイント。

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フォントが好き。

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よくわからない場所に、よくわからない信号。

One thought on “仙台まで歩きで行ってみる – 2014/06/14 – 5日目 – 川島から宇都宮まで (茨城-栃木編) 44.64km – 始点より148.82km

  1. いいセンス!のんびり感じて歩こう、という雰囲気がいい。
    私は63才、二日前に川崎市の自宅から小田原城まで、往復130㎞を自転車で走った。
    2週間後片道110㎞くらいの下館市まで、やはり自転車で行き、筑波山に登って高揚と思っています。
    のんびり冬の冷気を感じつつ・・・

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